水たまりが広がったあとの重なりをみつけていくように
ゴールを考えて、そこからそこにたどり着くまでのステップをいくつかにわけて設定して、いつまでにどのステップを達成していく、というふうに考える「バックキャスティング」。仕事やチームビルディングなど、色々なシーンで登場します。下の写真でいくと上の落書きのようなイメージ。
でもこのバックキャスティングをすべての事に当てはめていくととても窮屈。世の中で起きてることってもっと複雑で、達成したいゴールのイメージとそこに至るためのステップさえ描ければ、あとはステップをクリアしていくための必要なインプットがあれば本当にゴールは達成されるのだろうか。そもそもそんな直線的にゴール設定するのは超難しい、、(少なくとも私はそんなにクリアにゴールが見えていたことない)。
「水たまり」モデルのイメージ(先日の打ち合わせ中の落書き)
さて、他の考え方ないのだろうかと思って、「水たまり」モデルを考えてみた。上の図の下側に描いてあるイメージのほうだ。
第1回目のDeep Dive@Ubud・インドネシアでは、4日間のフィールドワークのなかで、4つのダイブ(場所やテーマごとにデザインしたアクティビティ)が設定されている。これら4つのダイブは、それぞれつながりは深く意識せず、Ubudという場所に暮らす人たちの毎日の様子を理解するために用意されている。イメージとしては、それぞれが別の水のなかにダイブするイメージだ。
それぞれのダイブで個々の潜水隊(参加者)が見つけ出すことは、それぞれの背景や興味関心で異なるので、何を学ぶのかは統一されたものはなく、歪な丸のイメージのようなものになる。それが個人で4つ、また潜水隊員間での共有で広がっていき、やがていくつかのオーバーラップが生まれてくる(落書きのなかの黒で塗られた部分)。これが蓄積されていく。
こんな風に、それぞれのダイブから生まれた学びや発見が、歪な形の水たまりとして広がって、やがてそれらがつながりを持ち始めるときに、ハッと何か新しい視点や考えに気が付く瞬間がおとずれる(ような気がしている)。
ゴール設定をクリスタルクリアに(とても明確に)設定することは、実はすごく難しい。それはきっと明確に決めるための材料や経験が手元にないからかもしれない。そんなときはゴール設定をせずにあちこちダイブしてみるといいんじゃないだろうか。いくつか水たまりが広がって重なりが生まれたあとに、ハッと気が付く瞬間がくる。そんなとき、実はもうバックキャスティングの枠でいうところのステップとゴールを同時に達成しちゃっていたりするんじゃないだろうか。
Deep Diveはそんな水たまりが広がったあとの重なりをみつけていくようなプログラムと思ってみるとよさそうだ。
(書き手:クドウ)
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